木質パネル工法大規模物件組立工程撮影事例

今回の撮影は、木造建築現場での組立工程の撮影です。基礎だけの状態から、建物が組み上がるまでを、複数のカメラで色々な角度より撮り続け、それらの映像を合わせて動画にするとういお仕事です。撮影は、天候に左右されるため、日程は工事現場の監督さん判断になります。実際今回の撮影では、台風の接近の影響で一日延期となり、また現場の不測の事態発生による建築工程の変更などがあり、柔軟な対応が必要でした。

この現場は、木質パネル工法での商業施設の建築で、組立の予定が当初5日間でしたが、実際の撮影は、7日間かかりました。2023年9月の撮影で、暑さとの戦いも大変でした。

ドローン撮影に関しては、DID地区上空で、人または物件30m以内・目視外飛行(空撮時)の特定飛行となるため、国土交通省への許可申請と、飛行の登録が必要です。また、管轄警察へ連絡も行い、第三者の立ち入り管理措置(現場はファンスで囲われている)をした上でのフライトとなります。

使用したカメラは、ドローン空撮に2機・地上タイムラプス用にカメラ2台・ジンバルカメラで現場の中から臨場感を出すカメラ1台と、スチールカット用にもう1台と、合計8カメのマルチカム撮影です。ドローンは、当初の計画では、定点位置からのドローンと、自由飛行のドローンの2機の計画でしたが、初日のセッティングで定点用に使う予定だったPhantom4 RTKの、RTK基地局のRTK受信が上手くいかず(周りに建物が多いためかFIXしない状況に)Phantom4 RTKは、初日で使用を断念、MAVIC3 を定点カメラに、MAVIC3 Proを自由飛行カメラにして撮影を行いました。

ドローン空撮に関しては、パイロット2名で、定点と自由飛行に分かれて撮影を行いました。定点撮影では、当初 RTKを使用しウェイポイントを設定して撮影位置まで自動飛行の予定でした。RTKがFIX出来ないため、MAVIC3を使いマニュアル飛行に変更しました。まずは、定点の撮影位置の真下にマーカーを設置し、機体の気圧センサーで高度を測りカメラ角度と画角を確認します。そして飛行毎に、パイロットの目測で撮影位置を出して録画を開始します。今回はマルチカム撮影ですので、必ずしも全く同じでなくても問題ありません。現場の進み具合をみて、必要なタイミングで上げて撮影を繰り返し行いました。

上記写真は、ドローン自由飛行の切り出し画像です。

                定点と自由飛行で2台のMAVIC3を使用しました。

タイムラプス撮影には、定位置固定のカメラを Canon EOS R5を三脚で設置し、もう一台 OLYMPUS OM-D を現場の進行に合わせて、現場の足場にクランプで固定して設置しました。OM-Dは、最終的に8箇所移動して撮影しました。(撮影間隔は、10秒に1枚ずつの撮影です。)タイムラプス作成には、ディスクトップPCの動画編集ソフトを使い、30フレームで作成します。流石に6日分はもの凄いカット数で、データの読み込みだけでもかなりの時間がかかりました。今回の撮影は、ディレクターなしの成り行きで現場判断での撮影でしたが、まずまずのバリエーションの映像が撮れたので完成が楽しみです。

今回の撮影では自然環境の影響も多々ありました。撮影前半は、台風接近のため工事の延期等の決定がギリギリでの調整だったり、工事が始まってみたものの途中から雨が降ってきたり、そうなるとドローンにもカメラにもポリ袋などを掛けて一時待機という、変わりやすい天候への対応にも追われました。そして、中盤から後半は酷暑で暑さとの戦い。ドローンも飛行後のバッテリーは、暑すぎて持てないほどで、直ぐに充電も出来ないので少し冷めるまで待つといった対策が必要です。また、人間も水分補給と日陰を見つけては待機の繰り返しでした。

雨対策と、うだる暑さ                                                

ドローン定点撮影の始め(Phanatom4 RTK)と、終わり(MAVIC3)の切り出し画像

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