マンション建設予定地の眺望撮影事例

今回の撮影は、制作会社から依頼で、7階建て建設予定のマンションの眺望撮影です。
現場はまだ建設工事が入っていない整地前の状態で、2階・3階・5階・6階・7階の各フロアのポイント(バルコニー等)からどういう風景が見えるのかを撮影します。
今回の撮影ポイントは、27箇所あり、そのうち8ポイントは高画質パノラマ写真が必要です。通常ポイントの撮影には、Phantom4 RTK を使用し、高画質パノラマ撮影用には、MATRICE 210 V2に、ZENMUSE X7 (APS-Cセンサー2400万画素カメラ)で行いました。

撮影当日:2023年9月某日天候は晴れ、気温35℃ 午前9時半から作業開始。
先ずは、クライアントから渡された図面から、撮影ポイントの位置を出していきます。現場は整地前の為、一部土地が盛り上がっており、そこの0レベルからの高さに差を出す必要があります。更に人の背丈もある雑草が生い茂る部分もあったのでかなり難航予想のスタートでした。
道路境界の際からスタッフ2名で巻き尺を使い、図面の指示位置4カ所を割り出し、マークを入れます。次に奥行方向の距離を出し、撮影ポイントを割り出してマーカーを置いていきます。このマンションは、高層階で部屋数が減少、角部屋ではルーフバルコニーがあるため各階の図面と比較して、更に撮影ポイントの位置を確定します。

人の背丈以上もある雑草をかき分け、距離を測りポイントを出したら、その周辺の雑草を取りマーカーを設定していきます。全部で12カ所の位置をだしました。

次に、雑草に覆われた部分の地盤が高くなっているので、レベルとスタッフを使い水準測量を実施しました。計測の結果、道路面を0mmとして+260mm高い結果となりました。※水準測量は、高さの高低差を測る測量方法

撮影ポイントが確定したので、ドローンの準備をします。D-RTK2 (RTR基地局)の設置をし、Phantom4 RTKとのリンク・RTKのFIXを確認します。         ※RTKとは、Real Time Kinematic「相対測位」で、座標の誤差をわずか数センチメートル以内に抑える技術

Phantom4 RTKと、基地局のリンク確認風景

RTK基地局

第一撮影ポイントでは、三脚にレーザー距離計測計を垂直になるように設置し、0ポイントの高さから1mの位置になるようにして待機。ドローンをポイント上空に移動します。レーザー距離計測計のカメラにドローンがセンターに入る位置でホバリングして、高さを測ります。この時、撮影予定高度より、1m引いた高度になるまで、ドローンの高度を調整してポイント位置に来たら撮影開始します。 この動作をポイントごとに、指定階数(高度)で繰り返し実施します。通常ポイント19カ所の撮影が完了しました。

写真 : レーザー距離計測計をポイントにより高さを変えて、1m位置にして高度を計測

次に、パノラマ撮影用にドローンを MATRICE 210 V2.0に変えて、再び撮影ポイントに移動します。今度はパノラマ撮影の為、1ポイントで、360°パノラマの場合は12枚・180°パノラマの場合は6枚をすべてRAW撮影して後でPCにてパノラマ合成をして作成します。RAW撮影をしているので、画像を現像時から色調調整ができ合成の時の、南側の逆光での暗くなってしまう部分なども調整できます。

MATRICE 210 V2.0 + ZENMUSE X7

撮影は、約5時間で完了です。今回は、土地に高低差や雑草等の障害物があったこと、そして、35℃の激暑の中であった為に通常より時間がかかってしまいました。

ドローンの飛行に関して、国土交通省の許可申請・近隣へのチラシによる実施連絡(クライアント手配)所轄警察への事前連絡などを行って撮影を実施いたしました。

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